商店街の片隅で
凛々椿

少女は逃げてゆくので
その美しい足も
指先や
いじらしい思いも何もかもが
汚く映る
妄想

Wednesday, May 27, 2015

吐き気くらみの中
歩く白昼は腐れた匂いと清楚な佇み
喪服を来た男が7人
固く口を閉ざした商店街で破綻し骨の山を築く
足下に踏み潰された赤い花
走り去る自転車がきゃらきゃらと笑う
嫌いなら嫌いと言えときゃらきゃら笑う
男たちは振り返り目をそらし
僕は振り返らない
折れ曲がった自治会の掲示板に
赤いペンキの落書き
隙間に突き刺さる風車がかたかた狂い
やがて無音
影ひとつ
米穀店の二階の窓からは読経の輪唱
水たまりがちらばっている
仰げば空は水の色で
ひびわれたバス停のコーラ色のベンチ
老人は正面を見据え
子供たちが制服を着ている
現実
もうすぐ雨と夏がやってくる

Wednesday, May 27, 2015

鳥がさえずり木々にまとわりつきながら
いつか商店街の片隅でカラスの餌になる日を想像する
僕は太陽の刑浴びてくるくる回りながら
いつか
商店街の片隅で





自由詩 商店街の片隅で Copyright 凛々椿 2007-11-01 16:55:02
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