電脳世界
緋月 衣瑠香

誰かとつながっていたかった
ひとりは嫌だった

そのために
偽りの名をつかって
この電脳世界という海の
情報という荒波の中を
藁をもつかむ思いで泳いだ

自分と似た人がいてほしかった
話せる人がいてほしかった

だから
泳ぎきれやしない海を
溺れそうになりながら
必死で泳いだ

ただただ
誰かとつながりたいがために


自由詩 電脳世界 Copyright 緋月 衣瑠香 2007-10-31 20:08:12
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