置き去りにされた僕は
改札から出れずに未だ夏を探している

葉っぱが紅くなるのは夏の名残で
太陽を映しているらしい

君の時計は三秒だけ僕より早く進んでいるの？

冷たい風は快速電車が運んできたよ
黒い影を連れてきたよ
言葉を忘れた僕が見えないようで
上手にすり抜けてゆくよ

凍った雨は最終電車が運んできたよ
汚れた影を連れてきたよ
君を待つ僕に触れないようにと
顔を伏せて消えてゆくよ

君は何処？

プラットフォームも　階段の下も　何処を探しても見付からないんだ

新しい季節は名前も知らない電車が運んできたよ
君だけを連れてはこないんだ
置き去りにされた僕は
今日も夏を探すよ