予想以上のことが出来るといい
ホロウ・シカエルボク




派手に着飾って、香水を叩いて
俺を迎え入れる準備をするんだ
不手際を見つけたら二度とは訪ねないぜ
完璧なスタイルで物事を始めるんだ

街路には迷子が散乱してる
年端もいかない母親どもがこぞって欲情して
小便臭い愛を撒き散らした結果だ
アーチェリー・ゲームのプロセスみたいに
そのうちの何人かは惨い運命を辿らされる
口に咥えている偽者の乳房は
昨夜一晩中台所で汚染されたものだ

出迎える準備を整えて
上等の態度を取れよ
不手際を見つけることがあったら二度とは訪ねてこないぜ

車道ではでかい風船みたいに通行人が跳ね飛ばされ続ける
車を売るために廃止できないから
金をたくさん貯めた馬鹿どもが排気ガスと同等の迷惑を撒き散らす
エコカーの通ったあとだって別にかぐわしい匂いってわけじゃない
あそこの曲がり角の死体は
片付けられた事がない気がするのは俺の気のせいか?

出迎える準備を整えて
本気でやる気でいろよ
不手際を見つけることがあったら二度と訪ねてはこないぜ

パーティー会場では流行のセレブとやらが
主体性の無いヘルス・フードについて思いを巡らせている
ヴィジョンの無い計画は必ず頓挫するとしたものだ
俺たちは何度もそれを見たことがあるのに
いざただなかに飛び込んだときには誰も気づくことが出来ない
まずは切って張ったようなその成り立ちを
一枚ずつ引っぺがしてやる事が出来たらいいのだけど
残念ながら刷り込まれた概念とやらはかさぶたみたいに簡単に剥がれはしないとしたものだ

出迎える準備を整えて
本気でやる気でいろよ
そういう気持ちが見えたら俺は失礼に当たるような真似なんかしないぜ

見返りなんか求めるようなものじゃないってジュリア・フォーダムなら歌うかもしれないけど
ギブ・アンド・テイクでいこうや、スリリングじゃないと先に行けない
とことんまでやりつくした探りあいのあとで
まっさらな気持ちになれる瞬間を貪りあおう

昔誰かとベッドにもぐりこんだら過去にそこで重ねられた思いの数々が
大きなビニールの塊みたいに横たわっていた、そいつは俺たちを挑発しているように見えた
君たちそんなに上等な事をしてるわけじゃないんだよ
ここで行われていることがどれだけみっともないことかということについて考えて見たことがあるかい、そんな風に言ってるみたいに見えた
まあ、もちろん
そいつはただそこに居ただけなのかも知れないけれど
俺はハンドルを握りながらあいつのことを思い出す、今夜あの女が完璧だったら
俺はまたそいつと対峙することになるだろう、そいつは今度こそ何らかのスタンスを提示してくるかもしれないが(というのも俺があのころよりも話が判るような感じに見えてるかもしれないからで)
俺は相変わらず真剣さとそういうことは関係が無いとか言って
そいつの存在を邪険にするだろう
そんなものに関わっていても血液は沸騰したりしない
身体で感じるものを選べないのなら子宮を潜る意味さえ無い

連れ出す準備は出来ているぜ、完璧なセオリーを踏んで
今夜おまえをあのベッドへ連れて行く、あのビニールの塊にまざまざと見せ付けて
それがちょっとした祈りであるという側面を悟らせてやるんだ

出迎える準備を整えて
上等の態度を取れよ
不手際を見つけることがあったら二度とは訪ねてこないぜ

俺は適当に相手をしたりなんかしない
おまえの神秘を信じている
おまえの燃えるような愛撫を信じている
おまえとの



祈りに近い感覚とやらの徹底的な上昇を

準備は整っているか
今夜はそのことがとても重要なんだ




自由詩 予想以上のことが出来るといい Copyright ホロウ・シカエルボク 2007-10-30 23:42:00
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