瞬く氷
唐草フウ

(そっと 音も色も立てずに
 ただ流れしたたる透きとおりを
 みつめている


ひたされてゆくね
僕たちはどの位
もう走れないのなら
このまま



  アイニク、という
  他人が二人を忘れる
  までには



          瞬

         

あふれた青の下で
懐しむ 空よりも
血のようにしたたっては
瞬くまにきえゆく
氷のグラス

満ちてゆく
そっとそっと、増えてゆくかさは
僕たちのかさねてゆく氷より
多いのかもしれない


ほら息の熱さで
またひたひたに
透明のグラスの中
僕らは








自由詩 瞬く氷 Copyright 唐草フウ 2007-10-30 16:28:33
notebook Home 戻る  過去 未来