糸を放つ
アハウ

鮮やかに 雲が 
青空から 吊り下げられて

細いナイロン糸が
結び目を のばして

雲は動く
己の腕の寂しさが続くかぎり
雲は行く
己の知らないくにざかい

雲の影が落ちる
都市の端 小さな川の流れる土地で

少年は 続けている

もっと遠く もっと速く
雲が流れるように

細いナイロン糸を 結び

風の凧
見えない風に乗せて
糸を空へ向けて 放つ


自由詩 糸を放つ Copyright アハウ 2007-10-30 10:21:10
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