スワロウテイル
アオゾラ誤爆
あかるい空
カーテンをひいて包まれて
そのどこかに羽根をみている
呼吸が彩度をわすれて
いつか廃れた街のようだった
足音は屋根をつたって
きみに会いにゆく
こぼれてくるひかりは
きみがながした涙に似るから
できるだけ目を伏せる
くもの巣みたいな糸を
追う視力はいくらか減って
もう底
うまれたときの眩しさを
再現できない左手
灰色のうすい紙を
ながめては破り捨てた
はだしで水たまりを踏めば
跳ねたしずくに眼をやる
つないだ手をすっかり忘れた頃
まどを叩く振動を聞いて
横たわる
痛みのとなりに安らぐ
帰ってこれた世界の無音
いとしい
空中を舞うすべてに
焦がれて腕をのばしてしまう
焼きついた景色を
ふりはらうには脆すぎる
からだはきみを覚えていて
こころがずっと呼んでいた
きみのうたが染み入って
はだ色
確かな傷がついている
同じ場所
ひみつのばしょに