甘党≧辛党
Affettuoso [アフェットゥオーソ]
砂糖は山盛り三杯
白くなるぐらいミルクを入れて
少しぬるいぐらいの温度で
こんなコーヒー僕はまさか飲めないよ
甘党で猫舌な君のためさ
あたし、あまとう、なの。
一目瞭然だね
あなたはあまいものがすき、かしら。
僕はどちらかというと辛党だね
善は急げ、が座右の銘と豪語する君
(甘党なのに渋いこというなぁ)
次の日早朝にはキムチを片手に現れる
あたし、あまとう、なの。
知ってるよ
あなたは、からとう、なのよね。
そうだね
いっしょに、きむち、たべてあげる。
僕は頭を少し掻き掻き
早朝に押しかけてきてキムチを食べろという君は
僕がキムチが苦手なことを知らないんだね(教えておいたらよかったな)
辛党のちゃんとした意味も君に教えてあげなきゃだけど
(辛党っていうのはね、甘いものよりお酒が好きな人のこと)
辛党=辛いものが好きな人って思ってる君が
おかしいのに可愛いくて
甘党な君がきっと涙目になりながらキムチを食べてるのが
おもしろいのに愛しくて
あなたの、すきなあじ、あたしも、きっとすきになる、だから。
なんて満面の笑みには敵わなくて(僕はキムチが苦手なんだけれども)
僕はやっぱりこうして君とキムチを食べてる
君はやっぱりこうして涙目でキムチを食べてる
だからそんな君の目蓋に優しいキスをして
あとで甘いおやつにしよう
砂糖は山盛り三杯
白くなるぐらいミルクを入れて
少しぬるいぐらいの温度で
こんなコーヒー僕はまさか飲めないよ
甘党で猫舌な君のためさ
だけど今日はこの溶けるように甘いコーヒーを一緒に飲もうかなぁ