quatre cents deux
まりも

今日はじめて部屋番号を知った

4階だってことはおぼろげに覚えてはいたけど

緊張しすぎて番号は見落としていたんだ

これで私は迷わずにあの部屋に行かれる

行くかどうかは別として


あの日、初めてあの部屋に行ったのに

前の家の家具が置いてあったせいか

なぜか懐かしいような錯覚に陥って

あの人の輪郭も急に若返った気がして

思わず昔の話なんて少ししてしまった


あのころ、私たちはとても若くて

大切なものが何なのかなんてことに

思いを馳せることもできなかった


今はわかる。

と言いたいけど、今もわからない

何が大切なのかなんてまだ判断できない

だから目の前のあなたを大事に思いたいのに

どうやっていいのかすらわからなくなってしまった


402号室、

いつか一人で訪ねてみようか



・・・そんな勇気があったら今頃行ってるってね

あなたを目の前にして何もできなくなる私は

あのころと何も変わっていないのかもしれない


未詩・独白 quatre cents deux Copyright まりも 2007-10-23 21:54:21
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