マンタレイの沈黙
mizu K
街をひずませている調性のない
属性をもったビルディングが
太陽にむかっておじぎしている
じりじりと今
風は耳をすます
調性のない音のうねりから
こぼれおちるものをひとつ
すくいあげてみる
夜
街の屋根の上に
マンタレイは翼をひろげる
人々の寝静まった時間が
マンタレイの
夜空にひろげた翼で
夜の海をしずかに
すべる
自由詩
マンタレイの沈黙
Copyright
mizu K
2007-10-23 04:28:12