リッスン
かのこ
ねぇきいてね
だれもみんなわたしの元を去ってしまった
そのあとでしずかに寄り添って
落ちてくる空の下で
いつもたよりなくって
いつもだらしなかった
雑然とした日々のなかで
たしか、ちっぽけな存在だったわたしの、ね
うそっぱちな泣き言を
きいて、ね
もうすぐ朝がきてしまう、そのまえに
澄んだ空気を胸いっぱいに満たす
彼はいつも、やわらかい匂いがして
彼はいつも、触れるのが怖くなるくらい、正しかった
だからわたしはその肩に噛みついて
なにか目にみえないエナジィをもらっていた
朝陽がのぼるのか、夕陽がしずむのか
世界の果てはそのどちらかなのか
そのときは、ちっぽけなひざをかかえて
うそっぱちな泣き言を
ねぇ、きいてね