虹つかい
千波 一也
虹は
見つかることで
虹になるから
虹かもしれないね
僕たちこそが
あの虹の
おもいでの
半分くらいを
間違わずに済ませたら
上出来だとおもう
ごらん
途切れてもなお
虹はきれいに
約束をゆく
ひかりは
曲がるものだよ
折れて
はじめて
優しくなるよ
道という名が封じるものは
色づくことへの
やわらかさ
とうの昔に
満ちていた意味たちを
乾かせるはずもなく
ただ浴びている
僕たちは
何度でも
とけ合えてしまいそうな
なないろの方角に
未完をうたう
僕たちは
虹よりも
虹かもしれない
理由をそらに
一度が
すべてと知ってゆく
はかなくて
あやうさだらけの
素顔のままで
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【きみによむ物語】