孤独の内訳の大半は打ち捨てられたペニスに集約される(Growin' up)
ホロウ・シカエルボク
バスルームで
容赦なく濡れた孤独、もはやバスタオルの
吸水性の問題ではなく
それをどれだけ濡れたまま、濡れたまま抱えあげるかということに
アテイチュードはテストされ凍てついた
洗面のミラーに敗北の雰囲気、ぬぐってもぬぐってもぬぐってもぬぐっても
蛇ののたうつような痕がつくばかり、ああ、ああ
俺はいったいどこまでを洗い流す事が出来たというのだ?
銃創のように指紋を刻み付けるのかというほどに影の眼を捕まえた、問いを発するが、問いを発するが、問いを発するが、問いを発するけれども―
俺そのものは、依然
沈黙して動こうとしない
早くしないと冷えてしまうよ愚者、それが愛する殻でなくても、お前の言葉はそこからしか生まれないのだ、鏡像に依存したって
たぶん費やした時間の分だけ損した気分になるだけさ、いま問題にすべきはほんとうは吸水性のほうであるべきなんだ
致命的な欠陥を見据える振りをしている間に季節はとうに変わっているんだよ
194号線に降りかかる陽射しの色をお前は確かに見ていただろう、あの
淡いみどりに輝く木々の葉がまるで飛び出しナイフのような鋭さだと―鋭さだと感じて確かに身震いしたんじゃなかったか
お前はいつだって怖れが外側にあるような振りをする、そのかたくなさはまるで聖書の教えのようだ(しかも誰ひとり救うことはなく)
194号線に降りかかる陽射しの色をお前は確かに見ていただろう?
(そしてヌーヴェルバーグのような空の青)
しゃがみこんで…濡れたままで見る夢、幾何学模様に音をつけたような
季節の変わり目なんか知らない、近い将来死に絶える種族だから兆しを見つけることに敏感になる必要なんかない
約束が気になるあいだはこんななりでも息をしてるけれど(口約束の方が破れないものだと思ったことはないか?)
しゃがみこんで濡れたままで見る夢、しゃがみこんで
フロアーで打ち捨てられた魚のような性器をずっと眺めていた、存在の具現化ってたぶんそんないたたまれなさ
それがあることを忘れて綺麗な思いを並べることなんか
出来ないよ