http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070919/135317/
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これを読んで、すごく怖くなった。問題の根が深い。興味ある人は是非、目を通してもらいたいです。
「農業が産業」?
「大規模農業しなきゃ駄目」?
「プロ意識」?
「農家は金持ち」?
おいおい、この記事に賛同してる方々はどれだけ地方の農業の実情を知っとるねん、とまず思った。賢明な方なら、このマスコミ批判を上手に絡ませて読者の心を掴む、といういやらしい技術で民主党批判する、自民党の犬みたいなこの教授の言葉の裏側がちらちら観えやしないだろうか。誤解して欲しくないが、ぼくは民主党万歳!ではない。ただ、このおっさんの言い草に、少し物言いたいのだ。
更にコメント欄にざっと目を通して、愕然とした。この教授のことばに踊らされてる人が、なんと多いのだろう。「お前がマスコミとか農家に踊らされてるだけだろう」とかいうツッコミは無視して、教授に賛同している人がみんな金の亡者に見えた。金、金、金だ。経済の奴隷の姿だ。経済の豚だ。すごく怖い。現在、日本の食糧自給率は39%と、4割を切っている。参考までに、フランスなんかは自給率が122%といわれている。国策として自国で自国の主要食物以上のものをちゃんと補い賄っているということだ。しかし、コメントの中には食料自給率がゼロでもいいじゃん、なんていう馬鹿までいる。もう、アホかと。
自分達が食べるものを全部輸入すりゃあいいってか?それが本当に国のためになると思ってんのか?馬鹿じゃねーか、と。『食育』という言葉を持ち出す以前に、お前ら昨日の夕飯は何食ったんだ?朝ごはんは?外国米がうまいか?ポストハーベストされまくった穀物が食べたいのか?それを自分の子供に食べさせたいのか?基本的に採れたてで新鮮なものが、美味しいに決まってるだろうが。料理の世界では当たり前の話だ。農薬まみれの長持ちして腐らない見た目がキレイな、調理しやすい野菜がそんなに食べたいのか?そのことで併発する怖れがある病に、愛する家族が苦しめられてもいいのか?アレルギー性鼻炎や花粉症、アトピーに苦しんでくしゃみしながら皮膚を掻き毟るのは誰だ?日本の農を真剣に考えてるけれど、大規模な農業が出来るほどお金のない若者が、この国にどれだけいて、そのことでどれだけの若者が農に関わるのを諦めるだろうか?まず、アメリカなんかのデカイ国と違って、山が多いこの日本の土地で、一体どれだけの大規模な農業が出来るのかちゃんと知ってるのか?たった一反の田んぼでどれだけの米が取れて(ちなみに産地や品種にもよるけど、きちんと作れれば一反/300坪で、8俵/480キロ程度収穫できるというのが平均的)、どれだけ消費して、どれだけの時間と労力が必要か知ってるのか?グローバリズム一辺倒による地球規模の環境悪化で起こっていると懸念されている自然災害の脅威に、真っ先に苦しめられるのは第一次産業ですよ。ちなみにこのブログのタイトル『地球する』ってのは、グローバリズムやエコロジーを推進してる訳ではない。自分の立っている足元の、その大地を感じて考えるということを意味しているつもりだ。「安全でおいしく、身体に優しいもの食べる」という根本的な問題を棚に上げて、数字だけで物事考えることの恐ろしさをわかってないんじゃないのかしら?勿論、この資本主義の社会では数字も大切だ。お金がないと生きていく方法を知らない人が多いから、仕方ないのかも知れない。だけど、この教授の意見に賛同してる人達は、もう一度真剣に「何を食べて生きていたいか」を考えてみて欲しいと思った。
農業とお金のことは確かに考えさせられる問題ではあるし、濡れ手で粟の兼業農家の方が居たのも事実だろう。日本の農を考える上で、ある一面ではこういったこともあるのだろうし、事実として認識すべき点ではあると思う。でも、それ以前にそういう経済力で農家の人々の健全な魂を骨抜きして、圧迫したのは誰だ?そして何より、こんな経済の風が強い社会でも、経済的な裕福さとはほど遠いながらも、誠実に一生懸命おいしい作物を作ろうとしている人を、ぼくはたくさん知っているし、またそんな人ばかりじゃないというのも想像に難くないけれど、以下の言い草には、厭きれを通り越して、怒りしか湧いてこない。
最近、「仕事がなくて生活に行き詰まり、一家心中した」という悲惨なニュースを耳にしますが、あれは都市部の話です。「農業に行き詰まり、生活苦のために零細農家が一家心中した」などという話は聞いたことがありません。零細農家には切迫感がないのです。
当たり前だろう。農家だからいざ困ったときでも地域で助け合ったりして、それ以前に自給自足という生きる技術を持ってる訳だから、一家心中なんてないのも当然だし、だからといって生活が苦しくないのか、といえばそうじゃないだろう。真面目にいい作物を作ろうと努力する農家ほど、経済的にも肉体的にも苦しんでいるのが実情なのではないだろうか。そんな簡単に全ての兼業農家が楽してる様にも取れる酷い言い方をする、この教授の発言には心底腹が立つ。
俺だって実家が農家でもないし、そこまで農についての知識がある訳ではない。しかし以前、料理や農に関わる職場で4年ほど働かせてもらい、何の知識もない消費者よりも多少なりとも真剣に、そして何よりも誠実に『食』というものに向き合ってきたと自負している。だからこそ思うんだけど、あまりにこの教授の言動は独善的だし、経済の観点から一方的に、イメージと推測、そして数字だけで農家をバッサリやってる気がする。それは如何なものかと。
コメント欄によっぽど投稿しようと思ったが、まず俺自身も日本の経済状況をちゃんと把握している訳ではないし、完全に脊髄反射的、感情的な主観による独善的なコメントしか出来ていないのは自覚している。逆にこのコメントをあそこにUPしたせいで、農に関わる人を更に苦しめる可能性が考えられない訳ではないので、敢えて発言は慎んだけれど、それにしても腹が立ったのでその気持ちを記録として、ちゃんと言葉にしたかった。そして、もっと農について学びたいと強く思った。消費者が消費者としてきちんと実情を知り、真剣に考えなきゃいけないのだと思う。
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