隙間
ゆるこ

延ばした手の隙間が
ぽろぽろと泣いている
おどおどしたのは昨日のこと
今はなにも感じない
 
隙間に有る目は
人と目を合わせるのがこわいのよって
思春期の少女みたいな事を云う
携帯依存症の私は
そんな隙間を流してる
 
夢を見ると
隙間も同じ夢を見るらしく
泣き上戸な隙間は
しくしくしくしく、煩い
 
雑誌を手に取ろうとすると
いやだあの人睨んでる と
表紙のかわいい女の子から目を背ける
何と無く分かる気がする
パンを持ってレジへ向かった
 
 
隙間、
どうやらきみはわたしで
わたしはきみらしい
 
弱々しい朝も
憂鬱な夜も
 
わたしたち一心に
しんかを求めてる
 
浸透する優しさとか
何気無い日常とか
 
白々しいことを捨てて
めまぐるしいことを受け入れれば
 
きっとぽろぽろと流れる
無味無臭のそれは
鮮やかな色彩に染まった
綺麗な風になるのかな
 
 
幸福な表情を浮かべて
わたしは歩く
隙間がいつか
目をつむれればいいな なんて
静かにひっそりと願いながら
 
 


自由詩 隙間 Copyright ゆるこ 2007-10-21 11:57:36
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