砂粒
水町綜助
骨と脳の間を
細く
傷つけて
線を引いていくような
砂粒を
一粒ずつさらって
ためつ
すがめつ
引かれた線には
流して
血液
のようなものを
ただ、薄く
川筋は浅はかな
団地の横に突き立てられたとても高く
ボーリングマシンは
動くことがなかった
ついぞ見ることがなかった
朝にせかされ
昼にころされ
夜にねむらされ
穴はひとつ、
垂直に、屹立した。
ただしく、口を開け
砂粒を、粛々として、
放し、
自転、自転車の銀輪、のさなかに、
あおぞらを忘れ、
海鳴りを騙し取った。
自由詩
砂粒
Copyright
水町綜助
2007-10-20 17:18:38
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