深海(ディープ・ブルー)
風音

ドロドロの眠りから覚めて
僕は思った

こんなに深くまで
来るつもりじゃなかったのにな

きれいな水際で遊んでいて
ふと下を見た
薄い薄いガラスを
何枚も重ねたような
深い深い青

僕は引き込まれるように
奥へ奥へと

だんだん視界が利かなくなる程の
深い藍色
なにものかがうごめく

僕は小さな泡が上へ消えるのを
そっと見送り

いいさ
このままずっと底までもぐってやる

どんな堆積物があっても
足で蹴り上げて
そのかたい地表が現れるまで
底の底まで

そして堅い殻をぶちやぶってやる

あつい火液が流れ出るまで

きみのほんとの気持ちを
抉り出すまで


自由詩 深海(ディープ・ブルー) Copyright 風音 2007-10-16 20:41:55
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