深海(ディープ・ブルー)
風音
ドロドロの眠りから覚めて
僕は思った
こんなに深くまで
来るつもりじゃなかったのにな
きれいな水際で遊んでいて
ふと下を見た
薄い薄いガラスを
何枚も重ねたような
深い深い青
僕は引き込まれるように
奥へ奥へと
だんだん視界が利かなくなる程の
深い藍色
なにものかがうごめく
僕は小さな泡が上へ消えるのを
そっと見送り
いいさ
このままずっと底までもぐってやる
どんな堆積物があっても
足で蹴り上げて
そのかたい地表が現れるまで
底の底まで
そして堅い殻をぶちやぶってやる
あつい火液が流れ出るまで
きみのほんとの気持ちを
抉り出すまで