こぐま座
ポッケ
注がれた牛乳や
たたまれた洗濯物
そういうものから読み取るのは
難しすぎて
未熟な手のひらをみつめ
星座のないことを悲しんでいた
こぐま座なんて
一度も探したことはなかった
いつでも見えるといったって
知らなかったのだから
わたしはこぐま座ではない
こぐまでもないけれど
双子でもない
あの人はおおぐま座ではないし
おおぐまでも
蟹でもない
見えないことを悲しんだのは本当
ないことを悲しんだのは虚構
あのころは過ぎて
何度も聞かされる幼い頃のくせ
当たり前に交わされる
おはようとおやすみのあいさつ
星々が見せる物語を
読み取ることができる気がする
それを知った今なら
ねえ
おとうさんおかあさん。
今日も星はひとつずつ
ひっそりと瞬いているね