VIZUM
プテラノドン
いつからだ
ものうさを知りながらも
おれたちは
後悔の猿ぐつわをはめて
家を出る
時計を振り切ろうとしながら
車のメーターなんかに
気をとられていると、見落としがちな
機会もあるぞと馴染みの工場は
出航しようとする―
煙突はただの見せかけで
煙はおいていく振りをするだけ
そのくせみんな小走りで
信号を無視して、すっ転がりそうになる
一服する暇もなく
ごわついた作業服に袖を通し
スピーカーから流れる音楽に合わせ
身体を動かし、
迎える一日
いったいぜんたい何を作っているのか
分からぬままに作業をおぼえて
おぼえた頃には日が暮れる
休憩時間に、
便所のタイルに唾を吐きかけもするが
見上げる空は
どこでもいっしょさ
ウィ― ムッシュ
くさるほど青い、
一日よ