「サヨナラ。」
黒子 恭

 
向き合うと泣いてしまいそうだったからポストにそっと入れた手紙に
 
 
「サヨナラ。」と書いてあなたとふったルビ 差出人は書かないままで
 
 
消しゴムのようになれたらいいねって 一緒に消えれるからいいねって
 
 
今一度言いたかったと溜めてから「さよなら」とだけ残してく嘘
 
 
夕焼けの向こうは恐らく朝焼けで反対側は何もない夜 
 
バランスを取れるくらいの要領は持ち合わせてるはずだったのに
 
 
(泣くように笑った)ような顔をして28番ゲートで手を振る
 
 
 


短歌 「サヨナラ。」 Copyright 黒子 恭 2007-10-11 16:54:01
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