雨音
mac
言葉が流れて澱んで溜まってく
まるで壊れた雨どいから雨が漏れていくように
雨が降ると体のあちこちの古傷が痛んで
時々心臓辺りも何だか嫌な思い出に傷んでくるようだ
雨は嫌いじゃない
機嫌が悪い理由になってくれるから
長い人生だから
駄目な出来事もたくさんあって
楽しい思い出よりそれが強烈に残るものだから
それは
もし死んでしまう時に
「なんだかんだあったけどいい人生だった」
と思えないかもしれないほど
しんどい事が多い
わりと人生器用に生きてきたのに
この様なんだから
みなさんもっとしんどいんだろうな
起きられなくて
毛布に包まり
目だけ窓を見る
怠けてると思われても
今日は仕方が無い
雨で古傷が痛むのだから
毛布に包まり
自分の体温で自分を温めてる
そんな感じがたまらない
いろんな言葉が脳裏に浮かび
どこかへ流れていく
雨どいはまっすぐに
あの日に伸びて
言葉を流そうとするけれど
ひびから少しずつ漏れて
そうか心臓に落ちて
溜まるのか
それも雨の日なら
別に構わない
どうせ溜まって溢れ出ても
誰かに聞かれはしないのだから