ニャー
暗闇れもん

蜂が巣を作るように

居場所を作った

野良猫が家の軒下で
いつの間にか
子を産むように

子を作った

それは
存在を確かめる行為

喉にサンマの骨が刺さったような
チクチクとした痛み
繰り返し
繰り返し
内臓を削り取る痛み
繰り返し
繰り返し
獣に戻り
人に帰り

全てを奪っていった

居場所を得るため

二・三枚の黒ずんだティッシュ
暗い夜の公衆トイレ

検便の再現のように

獣に戻り

産み落とした

野良猫のようなわたし

産み落とした

ものは

きっと「ニャ−」と泣くのだろう


自由詩 ニャー Copyright 暗闇れもん 2003-08-29 00:37:08
notebook Home 戻る