re:海辺
昏(ヤッカ)

海辺に立った少女の足を洗う、静かな波音
星は祈るように首をつっている
泣いているの?
君は何をみていた?
帰るための場所
海の新星
流線型の悲しい魚
それとも
死んだ珊瑚の世界

そろそろ行こうか
最後に君は話さなくなった
もう十分に話したんだ
じゃあ君は何を聴いてきた?
水滴達の話し声
生と死の単純なリズム
船乗り達の挽歌
少なくとも僕の声じゃないね

星がまぶしいね
針はまだ抜けないね
無くすための旅?
巻き貝の中に愛はあるの?
乾くための水を飲み干したんだね

僕らは砂の城をつくる
まるで奇跡みたいに
砂のトンネルで手をつなぐ
血の匂いには慣れたね
釣られた魚の傷口だけが
生きてるって教えてくれた

盲目の鳥の夢に空は溶けて
散らかした夢ばかり冴え渡る
波に顔はないね
体温を奪うのは、寂しいからだね。

全てを平らにする力
大好きな珊瑚礁
あの娘は虹だって枯らす

このままどこまで行こうか
このままどこまでも行こうか
それとも、穴でも開けようか
ねぇ、復讐をあきらめた
黄昏のような人よ




自由詩 re:海辺 Copyright 昏(ヤッカ) 2007-10-09 03:06:24
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君と僕とあいつのいる世界。