あの日
1486 106

あの日
いつもより10分早く起きた

あの日
朝食はトーストとポテトサラダを食べた

あの日
うお座の運勢は第三位だった

あの日
重要な会議があるからと
君は三十分早く家を出た

あの日
私はいつものように笑顔で手を振った

あの日は二人が出逢った記念日で
空はいつもの様に澄み渡っていて
私はケーキとワインを用意して
君の帰りをずっと待っていた

あの日
一本の電話が鳴り
日常は音を立てて崩れ去った

あの日もう少し遅く起きていたら
あの日重要な会議が無ければ
あの日私が引き止めていたら
もう一度おかえりと言えたかな?

声が嗄れるまで泣いても
砂時計をひっくり返しても
星空に願いを込めてみても
あの日には二度と戻れない

あの日は君の誕生日で
扉は永遠に閉ざされた
風は嘘のように穏やかで
空はいつもの様に澄み渡っていた


自由詩 あの日 Copyright 1486 106 2007-10-08 13:01:17
notebook Home 戻る