疑心
北大路京介




 愛していると言われた
 ホントかどうか疑った

 衣類を剥いて 手足を縛った
 跡が残るように きつく きつく


 愛していると言われた
 ホントかどうか疑った

 大きな声で唄わせた
 寂寞としたコトバを 何度も 何度も


 愛していると言われた
 ホントかどうか疑った

 安いカミソリを全身に這わせた

 ベランダに蹴り出した

 まだ 愛していると言われた

 聞き飽きたので 口に蓋をした

 塞いだ



自由詩 疑心 Copyright 北大路京介 2007-10-07 18:56:04
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