彼女はいつも優しげに微笑んでいた
亜樹

彼女はいつも
優しげに微笑んでいて
私はその向かいで
罪人のように俯いていた

明るい彼女を
羨みこそすれ
憧れはしなかったのは
私の感じる
辛さや悲しさを
なんでもないことのように
踏みつけられる鈍感さを
その明るさに感じたからなのか
それを恨んでいたからか

ああそれとも
「笑う」ことの原型は
獣の威嚇だと
何かの拍子に聞いたことがあったから
ライオンの前の兎のように
私は怯えていたのだろうか

彼女のような人は
以外に多い
今私の隣にいる人のように
彼女もきっと
今でも優しげに微笑んでいる


未詩・独白 彼女はいつも優しげに微笑んでいた Copyright 亜樹 2007-10-06 22:24:01
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