若者は夢の中で死んだ
狩心
抑圧に耐えられず
飛び出した
自由にも耐えられず
世界の外側へ飛び出した
目も飛び出した
真っ暗闇で
はらわたも飛び出した
中身はからっぽだ!
もう何もしたくない
ああ、もう何もしたくない
する事を要求する世界なんて
もうまっぴらだ!
動くのをやめよう
息も止めよう
心底停止した
岩のように硬く!
赤ん坊がぎゃんぎゃんとわめく!
ぜんぶ川に流しちまえ
おまえの体、心
ぜんぶ川に流しちまえ
もう一生戻ってくんな!
ばかやろー!
見送りの言葉なんかねぇよ
握りこぶしのままで
舌噛んで死ねよ!
言葉は何も許してなんかくれない
敵を作るばかり
敵を作るばかり
月に突き刺さったまま
餅つきでも始めよーぜっ!
大地の揺れの
心の幾許かの
自動的に歩いたその先に
蜃気楼の真っ只中!
吐き出したものを
もう一度口の中に戻して
なんども窒息!
ああ、なんて快楽
快楽の中に身を埋めよう
幾許かの余命
生まれた吐息の
手が千切れた方向へ
縄跳びを始める
余命幾許かのランナーが
グーチョキパーでダンス!
知ってるよ!
手の形は三種類しかない!
そんなんだったら手を削ぎ落とそうよ
暖かい膝枕の上で
飢え死にしながら火傷してさ
スライスした肉を
町のレストランで売りに出そうよ
みんな喜んで食べるから
僕の命を
ゆっくりと差し出そうよ
灰の舞う
静かな静かな夜景
公園の隅で
ぽとりと落とした涙の
ゆっくりとしたスローモーションの
墓を作ろうよ
空っぽになった箱は
ここに残しておくよ
君がそこに迷い込んだ時に
ゆっくりと死ねるように
僕は宇宙船に乗っていく
異星人が住むあの惑星に
時限爆弾を設置するために
頭を貫通して
透明になった体を
暖かい地割れの大地に
引き伸ばして
頭も体も飛び散るように
心を
広げるように