おやすみ
大覚アキラ

底なしの真っ黒な空に
銀色の鳩が
ゆっくりと堕ちてゆくよ

小さな子どもたちは
遠くに旅立つ準備を済ませ
みんなで手をつないで
風に向かって立っている

大人たちは
かすれた口笛を吹きながら
寂しそうにそれを見送る

冷たい風が
頬に流れる涙を吹き飛ばして
いっせいに光を放ったら
それが
世界が目を閉じる合図

おやすみ
おやすみ
いつかまた会う日まで


自由詩 おやすみ Copyright 大覚アキラ 2007-10-05 15:41:30
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