探生日
本木はじめ
行き止まりの洞穴の中へ
君が入って行ったので
僕は後を追う
じめじめと湿気じみた洞穴の中で
わ わ わ わ わ わ わ わ わ
君が戻って来る気配はない
僕は奥へと進む
やっと見つけたのに
ようやく会えると思ったのに
行き止まり
奥まで進んだが
結局君はいなかった
君は先に出たんだろうか
僕とすれ違いに?
またどこか別の世界にでも行ったのだろうか
などと考えながら振り返れば入り口
出口?
外の光の射す方へ、歩を進めながら
僕は壁に蹴りを入れる
出口に近づくにつれ
君の匂いを感じる
と同時に外の眩い光に、意識が遠のいてゆく
外に出るだけなのにふらふらになる両足
今度こそ君に会うことができるだろうか
真っ白な光の中
僕は最後に
君の名を呼ぶ
精一杯
叫ぶように
おぎゃあ
おぎゃあぁ
おぎゃあ
おぎゃあぁ