探生日
本木はじめ

行き止まりの洞穴の中へ
君が入って行ったので
僕は後を追う
じめじめと湿気じみた洞穴の中で

わ わ  わ   わ    わ    わ   わ  わ わ

君が戻って来る気配はない
僕は奥へと進む
やっと見つけたのに
ようやく会えると思ったのに
行き止まり
奥まで進んだが
結局君はいなかった
君は先に出たんだろうか
僕とすれ違いに?
またどこか別の世界にでも行ったのだろうか
などと考えながら振り返れば入り口
出口?
外の光の射す方へ、歩を進めながら
僕は壁に蹴りを入れる
出口に近づくにつれ
君の匂いを感じる
と同時に外の眩い光に、意識が遠のいてゆく
外に出るだけなのにふらふらになる両足
今度こそ君に会うことができるだろうか
真っ白な光の中
僕は最後に
君の名を呼ぶ
精一杯
叫ぶように







おぎゃあ   
        おぎゃあぁ
   
    おぎゃあ   
           
            おぎゃあぁ





自由詩 探生日 Copyright 本木はじめ 2004-06-04 21:22:50
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