無能
風音

病院内で知り合った
女の子が

儚くなった

茶色い長い髪を
くるくるとカールさせて

フリルやレースの
かわいい洋服を着て

いつも微笑を湛えていた
その彼女が

もういない

天国でも
微笑を絶やさないのかしら

ああ
彼女と私を分けたものは
なんなんだろう

それはきっと
わたしの勇気のなさ

いつか私も通る道を
彼女は先に追い越していった


自由詩 無能 Copyright 風音 2007-10-01 17:04:43
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