親戚の欠片
朗らか
弟と川辺で遊んでいると
親戚のおじさんが流れてきた
僕達の作った小さいダムを壊しながら進み
ちょうど僕と弟の足首に引っ掛かるようにして
おじさんはやっと止まった
おじさんは皮膚の中でも絶えず流動し続けていた
飛び出した骨や肉は
所々虫に食べられていたけれど
どれくらい上の方から流れてきたのか
そしてじぶんのいたらなさを
笑いながら語ってくれた
それからおじさんは色々話した
ダムをつくるときのもうひと工夫や
川魚の取り方を教えてくれたりもした
目を輝かせてそれを理解する僕達に向けて
清々しいハイタッチのそぶりを見せたが
その手は僕達に届かなかった
そろそろ先へ進もうとおじさんが言うので
僕と弟は足をゆっくりとどけながら
この先川はどんどん汚くなるよと思わず告げた
おじさんは
知っているようなきがすると言って小さく笑った
おじさんが流れていった後も
水面には笑顔が貼りついていて
。