気がかり
暗闇れもん

わたし、よく集めます

きっかけは道端で見つけた
おもちゃの指輪でした

赤く光る
その輝きにひかれ
気づいたら、集めていました

集めたものは沢山あります

びーだま
画鋲
ガラスのカケラ
ガム、捨てられた銀色の包み
…その全てに

わたし、美しさを感じ
光の美しさを感じ
集めました

ある時

わたし、とても魅力的なものを見つけました

それはいつものように

道端に落ちてはいない

赤い服、着た少女のものでしたけれど

わたし、気づいたら盗っていました

赤く輝くそれはとても綺麗でした

近頃、それは濁ったものが多いのですが

それは驚くほど綺麗でした

子どもだからでしょうか

彼女がまだ穢れを知らないからでしょうか

でも

罪を犯したわたし、許されるわけなく

ある日

道路わきで車のはねた石にあたりました

ごく簡単に。

薄れ行く意識の中

わたし

ただ

ただ

それだけが気がかりで

巣に持ち帰った

目だけが気がかりで

腐敗するわたしと眼球

果たして

どちらが美しいのでしょうか

もう

わたし、確かめるすべがありません

ですから

最期に見た雲、

どうか

確かめてください

どうか…


自由詩 気がかり Copyright 暗闇れもん 2003-08-28 17:44:53
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