予感
宮市菜央
見慣れた鳥が私の前をかすめて
心の影をくわえました
鳥は私の上の枝に止まり
影を飲み込みじっとたたずんで
やがて大きく揺らした羽根から
虹色の砂粒がさらさらと舞い散ってきました
氷柱がしたたり融けてゆく 春のひさしのように
鳥はやがて飛び立っていきました
何かを捜し求めているように
振り返るとあなたが立っていて
微笑んでいました
「ドライブに行きませんか?」
私には分かっていました
さっきの鳥はあなたでしょう?
私には分かっていました
きっと私たちは結婚するでしょう
自由詩
予感
Copyright
宮市菜央
2007-09-26 02:03:33