航行する自由意志の
雨宮 之人

見上げた空に出口はないって
マジかよって、冗談じゃねえぞって
僕は思った
じゃあ、僕たちはどこへ行けばいいのか?
そんなことを思った少年時代

どこまで行ける気がした、だけど
どこにも行けやしないよ
青春は、僕にそういったことを教えこんでいった
つまり僕のいるところにしか
この世界は、存在しないってことさ
悪いけど、僕は認識論の話なんてしていない

高く、高くへと
加速していくみたいな空
ジャケットを羽織って
でも僕の背中に、翼は生えない
ねぇ、どこにも出口なんかないよ

ここじゃなければどこでもいいのに
ここでなければどこへも行けない?
だから、僕はどうやらまともじゃないみたいで
と、いうことは
まともじゃないやつと
もっとまともじゃないやつで世界はできているんだな


どこにも行けない僕は
ここにいるしかない僕は
でも、閉じ込められていない、そうだろう?
夏が終わって
その日に僕は考えて
だから、出口、開けることにしたんだ

そのくらいはたぶん
憲法でも許されているよね?
基本的人権、その他もろもろのことを僕は考える
それから、いくぞって、心の中で引き金を引く
僕は、僕にしかなれない僕になる
まともじゃない世界の応力で
銃弾がそっちへ向かうのを僕は感じる


自由詩 航行する自由意志の Copyright 雨宮 之人 2007-09-25 13:56:51
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