さがしもの
フクロネヅミ

書店で
なんとなしに手に取った本を
逆さまにして振ってみた

パズルのようなものが降るかと思ったのだけれど
うんともすんとも言わずに

  いや、空気はすんすん言っていた

なんだ
がっかりする


詩を書くから
詩人の本なんて触ってみたりするのだけれど
これがまた
腹が立つ

 肉まんください
 今ありません 
と、コンビニで断られるくらい
腹が立つ


 てめぇ、このやろう
と、改行に向かって言ってやる

人の顔ない本だから
面と向かって言ってやる
 返事もない

 のれんに なんたら
 かな
参った
 匂いをかいだら
 ヌカ臭いかも知れない


似たような幅とバラバラの背丈ばかりが
ちかちかネオンサインみたく
目を悪くさせるばかりで

売ってもないし
降っても来ないし
サインをくれるわけでもないし

 とおい

なんだか書店そのものにも
がっかりする


がっかりして
貧血になる


血中活字濃度
あほくさいことをいいながら

自動ドアに慰められてみた





自由詩 さがしもの Copyright フクロネヅミ 2007-09-24 12:54:00
notebook Home