13時のお茶会
亜樹

真夜中に13回時計の鐘が鳴った
私はアリス
追いかけるべき白兎がいないので
仕方なく一人でお茶を飲む
すると呼んでもいないのに
引き出物のティーカップが顔を出し
喉が渇いた、と喚く
何を生意気な
乾いているのは私の方だ
イラつきながらも仕方なく
赤いお茶を注いでやる
ティーカップは喜んで
かちゃかちゃと音を立てた
真夜中に13回時計の鐘が鳴った
だというのに
不思議の国への道は開かない
本棚の裏には埃が詰まったまま
赤いお茶はいくら飲んでも
私の渇きを癒さない
どこかかさついた気分のまま
いっそ失踪してしまいたいと思う
けれど道案内の白兎がいない
臆病な私は
仕方なく一人でお茶を飲む


未詩・独白 13時のお茶会 Copyright 亜樹 2007-09-21 12:40:54
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