夜の鼓動
宮市菜央
夜更けのベッドの中で
あなたの背中にしずかにくちづけをする
くちびるを通して
言葉にできない言葉たちが流れだす
それは「うれしい」だったり「幸せ」だったり
「ありがとう」だったり
お日さまが見てると 照れくさくて言えないから
あなたが眠ってから
わたしはあなたの背中にくちづける
あなたは眠りにつくとき わたしの手をにぎる
ならんで天井を見ていると
街灯が月明かりのようにやさしくこぼれてくる
お日さまが見てると 照れくさくてできないから
一日が終わり 眠りにつくとき
あなたはわたしの手をにぎる
時計の針は逆回転して
夜がゆったりとひろがっていく