表裏一体
望月 ゆき

水晶を手にして
天使が舌打ち

思い通りになりゃあしない

ぼくをよく知らない
きみのリアリティは
いつも 悲しみと
奇妙な苦笑いを併発させる

ぼくがいけない
5分前の明日を
きみの手のひらに見つけられなかった ぼくが

きみがいけない
ぼくのつま先が奏でる合図に振り返った きみが

ため息の瞬間

舌打ち天使は
水晶をポッケに入れ
背中の羽を丁寧に折りたたみながら
きみの中に 帰っていった

ぼくの中の
悪魔が
火花を散らしながら顔をだす


思い通りになんて
絶対にさせるもんか


自由詩 表裏一体 Copyright 望月 ゆき 2004-06-02 00:05:05
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