赤い道
シャッターコーン

千人の戦士が 
私の靴の下で戦っている
靴底と地面の隙間で
しがない主を護るために

千人の戦士が 
戦い敗れ 斃れ 
最後の一人までが消失した時
私の歩く道が途絶える
前に進めず 戻ることも出来ず
靴を履いた私の足は 途方にくれる

だけど私は 新たな戦士を雇わずに
靴を脱捨てて 裸足になろう
武器も防具も無い 私の足の裏は 
戦士よりも弱く すぐに赤く滲み始める
それでも足の裏は 健気に歩き続ける
主の体重を 一身に支えて

やがて私の後ろに 
赤い道ができるだろう
戦士の屍よりは 良い 


自由詩 赤い道 Copyright シャッターコーン 2004-06-01 21:53:02
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