蝶の時間花の時間
西尾

なぜだろう あなたが
ふり向く瞬間が わかる
どうしてだろう あなたが
求めたものが ここにある
  なぜだろう 私が
  凍らせた言葉を 知っていて
  たやすくそれを 解きほぐしてゆく
  なぜだろう 私の
  割れたガラスに わざと触れて
  切れた指先を見ている
  色彩も風も けして優しくはないけれど
  冬の孤独が終わるとき
  壊れてゆくものと
  生まれてくるものと
  ただ流れてゆく時間と
  そんな季節のことを
  息をひそめて数えてみる
  あなたの時間と
  私の時間と


自由詩 蝶の時間花の時間 Copyright 西尾 2007-09-18 09:48:11
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