細胞
小川 葉
さみしい犬が
鳴いている
夜が忘れられて
やかんが沸く
鯨は吠える
イヌイットの
ソリに引かれて
作られては
壊される
道が未知となり
わかっている
朝帰りの太陽が
氷を溶かして
流行性のウィルスが
目を覚まし
誰かの細胞を利用して
わたしが増殖する
自由詩
細胞
Copyright
小川 葉
2007-09-17 00:47:15