重命
青井 茜

下腹部の痛みに眉をしかめて
それでも込み上げる愛おしさを
私はきゅっと抱きしめる
 
 
漂っている海は
段々と狭くなっているでしょう
内なる世界は見えなくても
感じることはできてるのよ、ね
 
 
 
ただなされるがままだった
そんな繋がりも今では
自ら握りしめる程になっている
 
 
あまり強すぎると
止まっちゃうから気をつけて、ね
 
 
 
 
とくん   とくん
  (とくん)  (とくん)
 
まだ重なりはしない二つの
「生きている」
 
 
 
私は柔らかな涙を我慢する
 
 
もうちょっとだけ待ってて、ね
 
 
 
愛高ぶらせて
 
 
 
 
とくん  とくん
 (とくん) (とくん)
 
     とくん
     (とくん)
 
 
 
 
 


自由詩 重命 Copyright 青井 茜 2007-09-16 22:04:56
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