飛行機
宮市菜央
心を正方形に切って
飛行機を作った
前を歩くあの人の背中に飛ばす
飛行機は心臓の裏側に
ピンポイントで突き刺さった
彼は気付かない様子で前を歩く
突然立ち止まり
背中の飛行機に細い指を伸ばして
抜き捨てた
カサリと悲しい音がした
そしてまた彼は
何事もなかったように歩き出した
私の恋が終わった
自由詩
飛行機
Copyright
宮市菜央
2007-09-16 01:53:20