彼氏と彼女の最後の日
紅山「そわか」

もういなかった。携帯さえ役に立たないものはない。二十歳は永遠に残らない。写真を見ると私はきまって泣いていた。言えなかった。声がない。もうどこまでも一人でわが道をシネスショコタービッチのような空をあおいでは半回転していた。500円の愛を彼はくれたが私は涎がつき、もうしおれた。
彼は二十歳。私を買う事をすこし恥ずかしくおもっていただろうに。
最後の夜空に彼も祭りだというのになぜ泣いたのだろう。ひとりで。私は彼の舌でとかされてゆくままなのに。







       な ぞ な ぞ    答え 歌手だと思われたかた多いかな


                               ふ。





散文(批評随筆小説等)    彼氏と彼女の最後の日 Copyright 紅山「そわか」 2007-09-14 12:13:42
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