たゆたい
宮市菜央
仮眠のつもりが中途半端な時刻に起きてしまった
私を迎えてくれたのは激しい頭痛
朝に降る雨のようにしばらく止まない予感を孕ませながら
私はもうどこへも行かないから
望みどおりに寝かせてよ
もう昔のように夢と現実のあわいにたゆたって捨て鉢になるつもりもないから
そう思いながら左眼の空のコンタクトレンズケースに洗浄液を入れてしまう
コンタクトはこの間失くしてしまった
明日はコンタクトをして行こう
この頭痛の原因はきっとまぶたの奥の奥の歪んだフィルター
自由詩
たゆたい
Copyright
宮市菜央
2007-09-13 12:59:09