れっと いっと びー
空雪

そのまま
そのまま
歩いていなよ
ぼくは止めやしないから


そのまま
そのまま
泣いてもいいよ
ぼくは貰い泣きしないから


そのまま
そのまま
笑ってほしい
ぼくは惑ったりしないから


晴れた午後には柳の木を眺める
雨の朝なら紅茶にジャムをくわえて
曇った深夜は星の話をしたり



   ヘレン・ケラーの指先を思い描いて世界をなぞってみたい
   もちろん、耳元で歌うように




そうして溜め息を深呼吸に変えて
たしかにここまで来たんだね



   ああ、うん、そうだね
   キミはキミとして、
   いままで ずっと(幸福なことでした)、




そのまま
そのまま
やさしい夢をみるんだよ




ぼくは 歩いてゆくからさ
ぼくも 生きてゆくからさ。







   ああ、うん、つまりね
   ぼくときみとで
   握手をしてから離れたくらいに、
   いとおしかった(幸福なことです)。





自由詩 れっと いっと びー Copyright 空雪 2007-09-13 00:43:04
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