立ち話
フクロネヅミ

近所の人が芸能の話題で盛り上がっていた。
聞き耳を立てつつ、玄関前の植え込みの草をむしる。

ああ、大御所と呼ばれる人たちは
ちやほやという栄養をたくさん食べなければ
生きていけないらしい。

ああ、若手と呼ばれる幸薄そうな人たちは
ちやほやを生産するかわりに守って貰わなければならないらしい。


アリとアブラムシの関係みたいだ。


となると、テントウムシは私たち
平凡な凡人のことを指すのだろう。


冷ややかな目でアブラムシをけなしては
その薄い幸をはぎ取り、土の上へ投げる。



世界は何処を渡ってもシビアなもんだな



植え込みの外れで、かろうじて頑張る向日葵を見ながら
普通の生活を退屈だと思っている。







自由詩 立ち話 Copyright フクロネヅミ 2007-09-11 22:29:37
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