午後と廻転 Ⅱ
木立 悟




時間のなかに棲む蟻が
別の時間を描いている
滴と傷をまたぎ
影を喰んでは歩む


曇が廻りつづけている
鳥と光が
光と鳥をくりかえし
曇の前をすぎてゆく


時間が消え去り
歩みだけが在り
自身の影を喰みつづけるうち
時間はふたたび現われる


音も
波紋もない雨
水鳥が鳴く
遠く 軋む


降る蒼 降る蒼
もどらない道
応え 柱
水の柱


かわいた土地に
雨が時間を描いている
願いも祈りも 雨のなかに棲み
別の時間を唱いつづける












自由詩 午後と廻転 Ⅱ Copyright 木立 悟 2007-09-11 13:28:18
notebook Home 戻る