「 触欲の秋。 」
PULL.
錆び付いた太陽ガガ音を立てて空廻ってまたひねもす。
今頃蝕あたりをおこした地球が月のかけら吐き出している。
雲の肋骨をひと囓りして穴を開けたもうすぐ雨が来るよ。
引き摺り出された雨粒はギザギザしてて頬がちくり痛かった。
あまーい流れ星を狙い打ち!天蓋を突き破って飛んで征く。
ぽんぷくりんの空のお腹を叩いたら「げぷっ。」とたくさん星が出て、
まんまりる肥った月の背中から毛が出てた…黒毛のうさぎなんだ。
憎いあんちくしょうの目尻にひとつ黒点書いた泣いても遅い!。
触欲の秋ゆるり伸ばして星のひとつも縊り取ってやろうか。
了。