花のなまえ
月下美人

追いかけるのはいつかの夢
揺蕩たゆたうのは幸福だったころの記憶
抱きしめるのはあのひとの気配
口づけるのは囁かれた愛のことば
燦燦たる陽のしたで赤く爛れるのは向日葵の花

瞬きの合間に眼に映るものは虚無のなかにある渇仰
私を支えるものは

愛というなのいっぽんの萼


自由詩 花のなまえ Copyright 月下美人 2007-09-10 16:58:57
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